ゼロ

(500)日のサマーのゼロのレビュー・感想・評価

(500)日のサマー(2009年製作の映画)
4.2
この物語は男女の出会いの物語。ではあるのだが、ラブストーリーではない。

ミュージックビデオを多く手掛けてきたマーク・ウェブ氏の長編デビュー作。MV出身なのもあるのか、音楽の使い方が上手く、画面が美しい。また時系列順に物語を描いておらず、ザッピング方式に描写されているのが、本作の特徴。

あらすじは、LAで、グリーティングカード会社で働いているトムは、ある日、秘書として職場にやってきたサマーに一目惚れしてしまうのだった…というもの。

ヒロインのサマーを演じるズーイー・デシャネル氏が可愛いです。作中では誰もが振り向く女性で、風変わりな役柄を与えられていましたが、ピッタリでした。

中身は、時系列で描かれてないので、分かりにくい点もありましたが、リアルな恋愛模様を描いたものです。主人公のトムは、奥手で、相手に合わせてて、素直な気持ちを相手に言えないタイプ。ヒロインのサマーは、はっきりと口に出し、率直に気持ちを伝えてくるタイプ。トムは運命はある、サマーは運命なんてないという初めは持っていた価値観を、500日の恋愛で変貌させていく。

男性側のトム目線で見れば、小悪魔なサマーに翻弄された恋愛映画だった。女性側のサマー目線で見れば、もしかしたら私の恋愛観を壊してくれる男性!?と期待して付き合ったら、運命の人ではなかった。冒頭に「ラブストーリーではない。」と注釈が入っているのは、サマーの視点から見たら、トムとは何も起きていない物語だったのでしょうね。

総括としては、二人ので出会いを美しくも切なく描き、時系列をバラバラにしたのもあり、中だるみもなく、最後まで楽しむことができた作品でした。
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