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愛・アマチュアのtetsuのレビュー・感想・評価

愛・アマチュア(1994年製作の映画)
4.2
ハル・ハートリー作品を大量に借りて、鑑賞。

作家志望の女性・イザベルは、記憶喪失の男・トーマスと出会い、ソフィアという女性を探すことになるが...。

これは、かなり良かった!
特にハートリー作品初心者の方にこそ、観てほしい作品でした。

なんといっても、素晴らしいのが飽きさせないストーリー。
これまでに観たハートリー作品は、物語よりも登場人物の魅力に重きが置かれていたため、好き嫌いが分かれる印象を受けましたが、本作はその部分が良い意味で薄まっている!
男の過去という謎、同時進行で描かれる二つの軸の物語、それらが重なりあう中盤の展開などなど、これまで同様、ロードムービー的な要素を残しつつも先が気になる展開が秀逸でした。

また、特典映像にて「あまりにも自然な演技を要求されるため、『トラスト・ミー』の時は監督を信頼していなかった」と語るハートリー映画の顔"マーティン・ドノヴァン"さんはもちろん、『シンプルメン』のオン眉でお馴染み"エリナ・レーヴェンソン"さん、そして、監督に手紙を書いてオファーをお願いしたらしい名女優・イザベル・ユペールさんといった豪華メンバーの名演も見事で、彼らの旅をもっと観ていたい気持ちにもなりました。

というわけで、「たとえ忘れた過去でも、それからは逃れることができない。」と語るハートリー監督が用意した、監督作品史上最も意外なラスト(注:個人の感想)まで、注目してもらいたい一作でした。

参考

NYインディーズ界最後のイノセンス ハル・ハートリーの世界 | 洋画専門チャンネル ザ・シネマ
https://www.thecinema.jp/special/halhartley/work/index.html
(ここに全部書いてんじゃん。激アツかよ...。笑)
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