のん

灼熱の魂ののんのレビュー・感想・評価

灼熱の魂(2010年製作の映画)
4.9
煮え滾る魂の慟哭


ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の作品は、表面上はとても静かで詩的な世界だ。

が、キャラクターの内面は燃え上がる炎のように激しく、暴力的なまでの感情の噴出が観客の心をゆさぶる。



ドゥニ・ヴィルヌーヴは、過去と現在を巧みに織り交ぜながら、1人の女性が夫を奪われ、内戦に子供が巻き込まれ、そして人間の尊厳を奪われながら、それでも懸命に足掻く姿を浮かび上がらせる。



終わらない復讐の連鎖と、子供たちのへの惜しみない愛情。この二つが文字通り「表裏一体」となって訪れる結末は、とても言葉では表現できない。
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