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ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃のefnのレビュー・感想・評価

3.7
 一歩間違えば本格的なギャグとして受け取られかねない脚本を画面が全力で擁護。避難する人も火炎に吹き飛ばされる兵隊もワンフレームでやる。家屋ごと潰されたり病院ごとつぶされるような描写も兵器でやる。役者の演技や神話を基礎にしていながら嫌なショットをこれでもか、というくらいに詰めてくる。閃光、地震から間をおいてキノコ雲を写すようなことはシンゴジラでもやってなかったし、その徹底ぶりは異常だ。
 司令部内の画面も良い出来で、司令周辺は常に3人以上が枠に収まるように維持し、外れるようならトランキングやズームで補助。ジャンル映画だから見せ場でアイデア勝負、というようなことを全くやらない。
 確かに被害者の惚けた台詞に見られるように、脚本の次元では現実管が欠如しているが、編集や撮影には手を抜いていない。ミレニアムなどの安直な演出を観ていると余計にそう思う。
 OPの地球祭大決戦といい、EDで大谷幸から伊福部昭にバトンをわたすやり方といい間違いなく「愛」は感じた。
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