ホイットモア大統領

ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃のホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

3.7
当時は『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の予習として鑑賞⑦

『シン・ゴジラ』後にこうして改めて見ると、本作からもかなり参考にしているのがわかりました!場所やキャラクターに対して字幕が表示されたり、多数のゲストが次々に登場する様はまさにそれ。
でも、本作も『シン・ゴジラ』も、シリーズの中では異色の立ち位置にあるのは間違いないはず。

本作に関しては1作目(『ゴジラ (1954)』)だけが実在の事件であり、ゴジラは太平洋戦争で亡くなった人々の残留思念の集合体という設定。目も真っ白で、完全に人類の敵として描かれている。中でも病院のシーンは普通に鳥肌ものの恐怖。
片やモスラはまだしも、バラゴンやキングギドラまでもが人類(というか日本)の味方となり、ゴジラを止めるために戦う。

監督が「平成ガメラ3部作」の金子監督であることが関係しているのか、はたまた原案ありきの起用か、これら設定が『ガメラ3』に似てる。
ただやはり、樋口監督とのケミストリーが無いのが大きく、特撮映画として比べちゃったら減点になっちゃうかな。役者陣も…だけど、村井國夫さんと天本英世さんは良い!特に天本さんのこういう身元不明キャラは好物でした。

戦争を忘れ、平和ボケしている我々へのアンチテーゼとして復活したゴジラ。太平洋戦争時の記憶より外敵から国を守るという信念で護国聖獣を蘇らせるも、彼らに反旗を翻される様は、国を信じて戦ったのにその国自体に見捨てられ、戦地に取り残されてしまった日本兵を想起させる。そんなゴジラの見た目もさることながら、そういった背景や “生物ではない(もしくは超えた)何か” を感じさせるのも、『シン・ゴジラ』との共通点かなと思いました。

惜しむらくは、キングギドラの首がやけに短いような気がすること…気のせい?