けんたろう

カラマリ・ユニオンのけんたろうのレビュー・感想・評価

カラマリ・ユニオン(1985年製作の映画)
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「良い子はマネしないでね」テロップを2秒に1回出すべきおはなし。


もうこれ大好きだ。

まずオープニングのノアール風味を効かせた白黒な映像が、クールな音楽に似合いすぎ。
中盤も中盤で白黒映画の良さが効き、美しい画はより美しく、格好良い画はより格好良くなっている。
これら優しく刺激的な映像に惹きつけられた、いや惚れた、いや心を鷲掴みにされた、いや…なんと表現したらいいのやら…


その映像・音楽に融合した、キャラクターやストーリーにも同様の思いである。
「十数人のフランクが街を脱出しようとするも、なかなか出られない」
という風変わりな物語はそれだけでも面白い。
だのに、レニングラード・カウボーイズを思わせるフランク達の風貌や言動がクール&シュールなせいで、物語はもはや面白いだけじゃあ済まない。


また、色んなジャンルの音楽に彩られるフランク達の神出鬼没な堂々巡りは、たくさんの悲劇に見舞われながらもやっぱり面白い。

最後に虚無感は残り、なんとも言えない感情にはなるが、それでも映画は最高に面白かった。