Oto

ビューティフル・マインドのOtoのレビュー・感想・評価

ビューティフル・マインド(2001年製作の映画)
3.9
幻覚から逃れない男の話の参考として勧められて観た結果、かなり勉強になった。
ティーン映画のような恋愛とかアメコミのようなカーチェイスとか所々変に安っぽい演出があったけど。

「いない人が見える」の主観と客観の反応のギャップ、その幻覚との関係性によるミスリード(これに関しては初登場の時点で勘づいたけど)…などはそのまま真似できるし、特に新しいと思ったのは
・チャールズの娘を使った「幻覚と分かってるのにどうしようもできない」描写
・自己否定の幻覚(これは統合失調症に多いらしい)
・「君に見えるか?新しく会う人は不安なんだ」の笑い
幻覚は悲劇になりがちだし人間がここまでになるのかという発見もあった(奥さんの怒りも薬を飲まなくなるナッシュの気持ちもよく分かった)けど喜劇に見えるところもあって学びがあった。精神病は完治するのではなく受容するのものだと再認識した。あとはやはり周りの支えがないと再起は難しいのですね。本人すら自覚していない長期の幻覚は考えていなかった。

恋愛に関しては自分と重なる部分も多いけど、暗号で星座繋げたり、雑誌が発光する変なエフェクト笑った。全体的に削れそうな要素も多いけど、ボトムが本当に辛いのは良かった。
冒頭の欠点の提示が上手な分、そこからの変化に感動できて、初めての授業の受講とか図書館での会話とか好き。記事とか参考にしつつ構成分析もしてみる。
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