イチロヲ

愛すべき女・女(め・め)たちのイチロヲのレビュー・感想・評価

4.5
ヌーヴェルヴァーグの監督たちが、原始から現代に至るまでの「娼婦の物語」を順々に紡いでいく、オムニバス作品。ラストには、ゴダール監督による「未来のデリヘル」の話が登場する。

娼婦を題材にした作品を鑑賞するにあたり、「世界最古の職業説」と「演技の起源説」の二点を覚えておきたいところ。娼婦は客人の恋人役を演じるという、最古の職業であること。これを念頭に置いておくと、本作品をより深く楽しむことができる。

原始時代における「女を着飾る行為」を発端にしながら、娼婦にまつわるシークエンスが軽快に進行していく。大規模な娼婦館の隆盛、娼婦と客人の騙し騙され、娼婦ならではの卓越した人間観察能力など、見どころは枚挙に暇がない。

艶笑コメディのスタイルに終始一貫しており、各エピソードごとに美術設定が異なるため、純粋にオシャレ映画として楽しむことができる。女優陣の華やかな艶技も、直視するには眩しすぎる。
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