さうすぽー

新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君にのさうすぽーのレビュー・感想・評価

2.8
自己満足点 55点

シン・エヴァを観てレビューも書き終えた時にこの旧劇と言われる本作も語りたくなったのでレビューを書きました。


今作はシン・エヴァと同じくラストを飾る作品ではありますが、今観るとどうしてもあちらと比較してしまいます(笑)
シン・エヴァが前向きにまとめていましたが、今作は後ろ向き過ぎる終わり方。

エヴァのシリーズは内容のトーンによって庵野秀明の心の状態がよく理解出来ます(笑)
エヴァQでの不安定さは尋常ではありませんでしたが、今作はもはや庵野秀明の精神状態を確かめるのを躊躇うほどですね。
良く言えば、耽美かつアバンギャルドな不気味さであり、ラース・フォン・トリアーやアレハンドロ・ホドロフスキーにも負けず劣らずのカルトホラー感が出てると言えます。でも悪く言えば、もはや彼の精神が崩壊してるとしか思えないようなドン引きものの演出です。

白デザインのエヴァシリーズの気持ち悪さが尋常ではありませんが、アスカの「○ろしてやる、○ろしてやる、○ろしてやる」の下りやアスカのエヴァ2号機をエヴァシリーズにバラバラに食い荒らされる描写なんてまともじゃない!
庵野秀明はアスカが嫌いなんですかね?(笑)
自分もアスカは決して好きではありませんが、だからってあんな陰惨な目に合わせるのはあんまりな気が(^_^;)

劇場公開当初に観たアスカファンの方にはホント、ご冥福をお祈りしたい(笑)


最後の「気持ち悪い」の下りも解ります。
シンジがアスカの首を絞めた理由も今は理解出来ますし受け入れてます。
ただ、ミサトのシンジに対する「大人のキス」だけは受け入れられないです。
ミサトがマトモな人間に見えて実はマトモじゃないというのは理解してますが、仮にも少年のシンジの事をそんな目で見てた、というのは"親"じゃないし最低です。

また、後半に流れる実写パートも否定的です。
エヴァの世界に溶け込ませる描き方ならまだしも、映画館で観るエヴァの観客の視点やエヴァのファンの実際のネット掲示板の書き込みを入れるというのはエヴァの世界から逸脱しているので流石に禁じ手な気がします。


正直この映画に関しては当時の精神状態だったとして軽く受け入れられるし、シン・エヴァで一応自分が受け入れられる内容になっていたので、拒絶反応も起きていません。
なので、この旧劇場版に関しては評価が難しいのですが、単純な好みで考えての評価と点数とさせていただきます。