☆聖なるイチジクの種公開記念・過去レビュー再録


とある田舎の村。巡査のマーは、朝、妻に叩き起こされた。二日酔いの頭でふらふらと制服に着替えながら、腰に手をやると・・・ホルスターに銃がない！慌てたマーは、イタズラ盛りの息子をひっぱたいて詰問する。が、息子は知らないと泣くばかり。勤務している派出所に飛んで行き、祈る気持ちでロッカーを開けてみたが、やっぱり銃は無かった。最後の「銃があった」記憶は、夕べの妹の結婚式だ。式場で盗まれたのか？マーは新婚の妹の家に出向いたり、出席していた親友のジアンを問い詰めたりして、何とか結婚式の記憶を思い出そうと努力する。・・・宴の最中、べろべろに酔ったマーは意識を無くし、ジアンが運転するクルマで家まで送ってもらったことがわかった。クルマは、友人で金持ちのチョウの外車だった。マーはチョウのクルマを調べるため、彼の家に出向く。しかし呼び鈴を鳴らしたところ、出てきたのはチョウではなく、マーの昔の女・モンだった。家を無くしたモンが、チョウを頼って同居することになったという。苛立つマーだが、嫉妬している場合ではない。とにかく銃を見つけなくては！
・・・だが、クルマのなかに銃は無かった。マーは派出所の上司に拳銃紛失を報告し、厳しい叱責を受ける。アテも無く必死に記憶を辿りながら捜査をするマー。だが、翌日、モンの射殺死体がチョウ宅で発見される。凶器はマーの拳銃だった・・・



『ミッシング・ガン』


アップテンポな展開で、かつ破綻無くキッチリまとまったオチで、結構好きな作品です。一言で言えば、洒落にならないハングオーバー映画、ですね。

失くした銃をめぐって、周囲の人間関係を右往左往する警官の話。
中華版ビックリボウスキ(前にも何かの映画でこんな例えをした記憶が…)みたいな、ちょっと一風変わった作品。
簡単に言うと変な映画。

事件も解決したのか、してないのかよく分からない終わり方で、話はさほど面白くないけど、中国のダンジョンのような路地裏など、古い住宅地をロケーションにしているので、風景映像として雰囲気は十分楽しめた。

姜文って、たまに変な映画に出るけど、それが芸術家ぽく感じるから得してるなぁ。

陸川の監督・脚本、姜文の製作・主演作。拳銃紛失警官という、目新しさのないミステリー。　　シネマスクエアとうきゅうにて