このお話は、吃音症で悩むジョージ6世が、国王の死去、長男の失墜の果て、新国王に任命され、ナチスとの開戦スピーチという、大役を任される事になるという映画です。
ジョージ6世は、吃音症を治療する為、様々な専門家の治療法を試しますが、これが現代の我々から見たら、冗談としか思えない様な荒療治。
それで、嘘か真か様々な実績をあげていると言うんですから、すごい時代だったんだなぁと思わされました。
しかし、そんな専門家達の治療法も、ジョージ6世には、残念というか当然ながら効果を及ぼさず、最後に行き着いた先は、医師免許も実績すらも無い、自称言語障害研究家のローグという、劇団員志望の男の元でした。
この映画は、身分が天と地ほどある、この二人の男の友情をテーマに描かれていきます。
ローグの治療法は、奇想天外に見えて、実は結構理にかなっていて、見ていて面白かったし、二人の友情が深まっていく過程は、こちらまで嬉しくなるものでした。
しかしこの映画も、日本の過剰な宣伝の犠牲になった一本でした。
CMでは、アカデミー賞最多ノミネートやら、誰もが感動するなどの謳い文句の、やりすぎ宣伝のお陰で、バンバンハードルが上がって、実際観た感想とのギャップが生じてしまい、評価を落としてしまう結果になってしまいました。
泣けると謳っているこの映画、実際はどこで泣けば良いのかサッパリでしたし、CMを見ていなければ、感動の沸点はもっと低かったかもしれません。
しかしこの映画、泣けるという意味では、全く感動はしませんでしたが、最後のスピーチのシーンは、鳥肌もんだったので、その程度の映画だという事を、ちゃんと理解して鑑賞すれば、それなりに楽しめると思います。