FumiyaIwashina

英国王のスピーチのFumiyaIwashinaのレビュー・感想・評価

英国王のスピーチ(2010年製作の映画)
3.8
乞音のために多くの人が見守る博覧会のスピーチを失敗してしまったのちのジョージ6世。彼がオーストラリア出身のライオネルの元で苦手を克服し、国王としてドイツとの開戦を知らせるスピーチに臨むまでをえがいた作品。
時間軸としては、「ウィンストン・チャーチル」の前で、チャーチル主演の映画の方が映画としては楽しめるが、今作は同じスピーチに力点を起きつつも一人の男の苦悩と成長に焦点を当てており、政治色は薄いため純粋にいい映画だなと感じた。
乞音の背景にあるジョージ6世の過去と、そんな彼が国王にならなければならないという悲劇。しかし、それを克服していくライオネルとの友情と彼自身の根性は多くの人が共感できるものだった。
ジョージ6世とライオネルとの掛け合いも見事で、イギリスらしい柔らかいジョークがおもしろい。また、ジョージ6世を演じるコリン・ファースは難しい役だったが、改めて彼のすごさを思い知らされた。脇を固める俳優陣も豪華で、派手さはないけれども、細部にまでこだわっている素晴らしい作品。