滝和也

ブルーサンダーの滝和也のレビュー・感想・評価

ブルーサンダー(1983年製作の映画)
3.8
ロサンゼルス上空
ビル群を脱いながら
リアルに展開する、
スカイ・ヘリ・アクション!

「ブルーサンダー」

現在の日本では(アメリカでも?)絶対に許可されない、都市部低空で行われたヘリでの空中追撃戦をリアルに映し出すアクションものです!

ベトナム帰りのロス航空警察腕利きヘリパイロット、マーフィー(ロイ・シャイダー)は新型ハイテクヘリ、ブルー・サンダーの都市飛行試験に抜擢される。だがその政府機関には彼のベトナムでの因縁に関わるコクラン大佐が所属していた。テスト飛行時、彼をヘリで追尾したことから、開発に関わる陰謀を知ってしまったマーフィーは政府機関から追われ…。

低空過ぎる!(笑)

ヘリアクションが作品の圧倒的な売りですね。まぁ良く撮影ができたものです。兎に角低い。街の中で撮影してると言っても良い位。ビル群をすり抜け、橋桁をくぐり、地面スレスレを飛行するブルーサンダー!その追撃戦の迫力はCGにはないリアルが炸裂します!(一部ラジコンもあるらしいのですが、見分け憎いですし、建造物との対比でガチなのは分かりますよ(笑))

勿論、時代性故に荒唐無稽な点もあるのですが、ハイテク装備は現在全て実装可能だそうです。ビデオ機能、サーモグラフィー、高感度集音マイク、ブースト機能。更に静音モードも、最近可能になった様です。正に空の忍者ですね。音も無く忍び寄る空中の悪魔です。

実機としての米軍のアパッチに似たフォルムを持つブルーサンダーですが、装飾されたヘリはバランスが悪く作品内の様な機敏な動きはできなかったらしいのですが、職人監督ジョン・バダムの演出、編集により、並みの動きではありませんし、見事なアクションを展開しています。この頃のバダム監督は乗ってますよね。サタデーナイトフィーバーで当て、この作品、そしてウォーゲーム、ショートサーキットと娯楽作品の佳作を連発しています(^^) 因みに音楽はイマイチなんです。これ印象に残る曲ならもっと良かったのに…(T_T)

ロイ・シャイダーはジョーズやフレンチコネクションでの警察官イメージが付いてます(^^)が、こちらも中々良くて、渋みのあるベトナム帰りのトラウマを持つ役柄。これも時代性ですね。80年代前半ですから。今ならイラクやアフガンでしょうね。

ヒロインが、これ中々活躍するんです。キャサリン役のキャンディ・クラーク。カーアクション担当(笑)前振りで暴走ドライバーでマーフィーにゾッコンと言う設定が効いてますね。物語のキーになってます(^^)

ただ…実はこの作品の主役は別にいるような(笑) それは…ヘリを操縦してたスタント・パイロット達だと思います。この都市部でのアクションや墜落シーンは見事すぎますから。これだけでも見る価値あります(^^)

追記…この時代空前のヘリアクションブームでした。今作もTV化されますが、それを打ち破ったのは、「超音速ヘリエアーウルフ」でした。こちらもフィルマドラマ版に収録されてます。お暇な時に(^^)
滝和也

滝和也