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ルネッサンスの和のレビュー・感想・評価

ルネッサンス(2006年製作の映画)
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"007"熱もいつの間にやら冷めきってしまっている…。クレイグ版"007"は見尽くしてしまっているので、関連作として本作をご紹介したく思います。

と言いましてもスパイものでもなんでもなく、"ブレードランナー"を代表とする近未来ノワールです。その他にも"AKIRA""攻殻機動隊"をはじめとする日本アニメーション、"シンシティ"と源泉でもあるフィルムノワールなどの影響を感じられます。

本作の魅力はなんといっても、全編をほぼ強い白と黒のコントラストで描くという"シンシティ"のような試みをしているという部分です。これによって光をつかったイカしたショットをバチバチと決めています。
俯瞰から"ブレードランナー"的な街を映していくオープニングでは建物の窓が印象に焼き付きます。

窓から差し込む光、反射、そして外に降り注ぐ雨の影を使った演出が兎にも角にも素晴らしいです。
雨を影によって表現する手法が特に斬新です(実写ではこうも綺麗に雨の影は映らないはず)。

まあ何というか画集…映像集のような作品ですね。
ディティールとして出てくるものが、何回も同じものが出てくるというのが惜しいところ。
もっと近未来ツールをたくさん出してくれる(それこそボンドが使う秘密兵器のように)展開だったら変わっていたのかもしれない。
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