この映画はギャングという問題を訴えるための映画です…なんていう絶対思ってもないであろう一文から始まるクラシック。
ちゃんとエンターテイメントとしてギャング映画をやっている。
1932年に撮られたにも関わらず、"ゴッドファーザー"へ強い影響を及ぼし、"スカーフェイス"としてリメイクされている。
この映画の魅力は何と言っても疾走感にある。主人公の葛藤などはあってないようなもの。只管に殺して上り詰める、そして散る。短尺という点が、主人公のエネルギーというものを際立たせている。"勝手にしやがれ"なんかは正に本作のような疾走感を主人公が体現しようとする映画だった。
短尺で収めるが故の粋な演出も魅力。死をドラマティックよりもドライに描いている。そして血飛沫なんかもあがらない。
息をするように邪魔者を消し去っていくシークエンスが何とも恐ろしく、だからこそエンターテイメントとして成り立っている。