"シンウルトラマン"も本作も元の作品を愛する人がどの部分を愛しているのかという所が如何に多様であったのか…。
自分は仮面ライダーの怖さというものを愛していた人間なので、そういった部分で本作は相性が良くない作品でした。
夢に出てきそうな恐ろしい怪人たちが、普通に格好良いマスクを被って出てきてしまっては…子供の頃に怖くて堪らなかった蜘蛛男に関しては、まあよく喋るなあと。
ピコーンピコーンと鳴る不気味な秘密基地というディティールも本作には出てこず…。
現代的にやるという意味では確かに仕方のないことなのかもしれませんね…。
ただやはり"シンゴジラ"と比べてしまうと、どうも"シンウルトラマン"も本作も見劣りしてしまうのが正直に思うところ。
"シンゴジラ"は人間という個人のパートが少なかったというのが、恐らくは見易く感じた一要因なのかなと思います。
ただ"シンウルトラマン"にも本作に対しても声高に言いたいのは小ネタはあくまでもおまけであり、映画の完成度を高めるものではないという点。正直に小ネタはニンマリと嬉しくはなる、ただ…一本の映画としての完成度が高い方が断然嬉しい。
本作を観て分からない部分を補完する為に過去作に触れるのではなく、こんなに面白いものがあったのか！と食いつくファンが生まれる作品であって欲しかったと思います。
あと仮面ライダーが戦うことに理由は必要なのだろうか…。
