和

子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつるの和のレビュー・感想・評価

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懐かしいなぁ…昔々、時代劇フリークの父上にオススメの時代劇を聞いたところ"七人の侍"と"切腹"という模範解答のような返答を貰ったことがあった。別に批判をするつもりはないし、この二作は自分も大好きです。しかし、"子連れ狼"が好きだと言った際に下らないと言われたことに関してはムッとしてしまった。それほどに本シリーズは最高だと思っています。

マカロニの名作"荒野の用心棒"が黒澤の"用心棒"を下敷きにしているのは有名な話ですが、本作もラストシークエンスは似たような感じ。そしてマカロニウエスタンの残虐血糊劇を時代劇に持ち込んだのが本作の立ち位置といって間違いない。
とにかく笑ってしまうくらいに首や腕、足がスパスパと切られていく。本作の監督である三隅監督の傑作"座頭市"をもっとエンターテイメントというか、グラインドハウス的な見せ物映画として昇華しているのが本作の一つの魅力です。

ただ、それだけではなく本来ならば刺客を映す時代劇というのは画面が暗めに設定するはずが白昼で魅せるというのが本作一作目の真価です。
序盤の白装束に返り血を浴びてバサハザと切り倒していくシーンなんかは、映像的な快楽が詰まっているように思います。

一作目故に手探り感は否めないのですが、シリーズを知らない人間からしてみれば、もっと言うならば今の映画を見ている人間から見ても新鮮な一本に仕上がっていることは間違いないです。

是非ともホラー映画好きのスプラッターフリークの方にも一度は手に取って頂きたい作品です。
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