あなぐらむ

女左膳 濡れ燕片手斬りのあなぐらむのレビュー・感想・評価

女左膳 濡れ燕片手斬り(1969年製作の映画)
3.7
安田道代の大映末期ガールズアクション時代劇「笹笛お紋」に次ぐお題は、なんと女丹下佐善。
粋な着流し姿で名刀「濡れ燕」を操る女剣士を、舌っ足らずな安田道代が伝法な口調で演じて、たいへん味わい深い。

脇に時代劇ができる本郷功二郎、長門勇を配して手堅い娯楽編に仕上げる安田公義の、四番ではない、二番打者的な職人芸。
安田道代本人も殺陣をしている部分も多々あり、中々よくやっている印象。
80分に満たない尺で、無駄の無い作劇になり退屈させないのはこの頃の大映東京作品同様。
安田公義は鈍調な作品もあるが、時代劇の見せ場は押さえているので大外れは無い。子役の使い方も良い。