great兄やん

HANA-BIのgreat兄やんのレビュー・感想・評価

HANA-BI(1997年製作の映画)
5.0
一言で言うと「優しさの暴力」
[あらすじ]
人生を走り続けてきた刑事・西。彼が不治の病の妻を見舞う中、同僚の友人が犯人逮捕の際に西の身代わりとなって撃たれてしまう。妻や子に逃げられ、半身不随で仕事も解雇された友人に言葉もない西。さまざまな人への“想い”に駆られた彼は、銀行強盗を決意するが...。

これは世界が絶賛するのも納得いくわ...。
とにかく一つ一つのカットが美しかったです。
寡黙な中、映画が進み時に暴力と残忍さが唐突に挿入されていく...この静けさと暴力の対比が見事で素晴らしいです。
それに堅苦しいシーンばかり続くのではなく、絶妙なボケが絶妙なシークエンスで挿入されるので、やはり北野武って凄いと思う。
あと渡辺哲の雑さ加減が良かったです😁www
ビートたけし。いや、北野武が”天才”と呼ばれる意味がかなり分かったような気がします。
アメリカ映画やフランス映画には作れないような独特の”間”を自由自在に操れる男。それが北野武だということが分かりました。
人生の死生観。様々な”死”について美しくも残酷に描いた映画でした。