田舎の小さな町で「フランケンシュタイン」の移動映画を観た少女が、その怪物の存在を信じ込み、イマジナリー・フレンド(空想の友人)との交流を始める。1940年のスペインを舞台にしている、ヒューマン・ドラマ。
浅はかな知識では、そのすべてを理解するのは困難だが、本作品にはフランコ独裁政権への批判が暗喩として込められている。
なぜストレートにメッセージを発しないのかというと、「分かりやすくすると検閲により上映不可能になってしまう」から。メッセージを拡散させるためには、暗喩として含ませて「上映させること」が先決だということ。
「映画への政治的メッセージの含ませ方」の勉強になる作品。もちろん、フォトジェニックな映像美を楽しむだけでも一見の価値あり。ちなみに、ギレルモ・デル・トロは本作品が「パンズ・ラビリンス」の元ネタであることを公言している。