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ペリカン文書のDcatcHerKのネタバレレビュー・内容・結末

ペリカン文書(1993年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

 最高裁判事が2人も殺され、その事件の真相をジュリア・ロバーツさん演じる法学部の女子大生ダービー・ショウは、ある仮説をレポート“ペリカン文書”にする。その文書が原因で、次々と殺人事件が起こり、ダービー・ショウの恋人の大学教授キャラハン(サム・シェパード)も殺され、ダービー・ショウも命を狙われる。
 一方、デンゼル・ワシントンさん演じる敏腕新聞記者グレイは、最高裁判事の2人が殺された事件で密告の電話を受け、真実を掴もうと、密告者とコンタクトを取ろうとするが、密告者も失踪(実は殺害されていた)したため、真相を突き止めることができずにいた。
 前半は、“ペリカン文書”の内容がどういうもので、なぜ、その文書のせいでたくさんの人が殺されるかはっきりしないのだが、緊迫感が半端ない。
 そういった状況でも、敏腕新聞記者グレイは、確実な証拠を掴むまで記事にしないし、編集長は記事にすることを許可しないどころか、証拠がないなら取材をやめるように言う。
 そんな中、ダービー・ショウは、殺害された恋人のキャラハンが記者として好感を抱いていたグレイと接触し、事件の確証を得るために行動を共にする。
 24歳の大学生役のジュリア・ロバーツさんの顔と言いスタイルと言い、今と同じなのには、本当にびっくり。知性があふれ出る感じや、24歳のこんな危機的な状況に慄く演技も素晴らしい。
 敏腕新聞記者グレイ役のデンゼル・ワシントンさんは、今の容姿も大好きなのだが、この映画の頃は、顔がシャープで、瞳が大きくて、何しろカッコいい。真相を掴むために努力する、新聞記者としての矜持を持っている役にぴったり。
 大統領を取り巻く人が、自分たちの利益のために動くことに怖さを感じる一方で、新聞記者は確証を得るまで記事にしないという設定に本来こうあるべきだろうと納得するし、こういう映画を作ることこそが、安易なポピュリズムに陥らないための警鐘になるという気がする。真実を暴くには時間も手間もかかるが、それこそが報道人が報道の価値を高めることだと、この映画を観て思った次第である。
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