久しぶりの映画鑑賞。
「心が洗われた」。これが、鑑賞後に妻と交わした会話の中でお互いに出てきた言葉。
何だか胸にキュンと来るものがあって、鑑賞中、自然と涙腺が緩んだ。
青春の甘酸っぱい感じと無垢な純粋さが、澱んだ人生という川を泳いできた自分にとって、自分の青年期の恥ずかしさと一緒に主人公たちのピュアさに羨ましさを覚えるものだった。
もう一度青春時代をやり直せるなら、純粋無垢に誰かを待ち続ける人生も良いかなと思うけど、それも宿命、運命の導きがないとだめかと、あっさり諦めた。
いつの時点でも、その判断の結果が連なって今の人生になっているなら、出会うことさえも、きちんとした人生を生きて正しく判断をしていない自分のようなものには到底無理なのかもしれないようにも思う。
結局、自分には縁のない話かと思いながら、とは言え、平凡ながら「禍福は糾える」人生を歩みながらも、良き家族に、友達に、職場の人たちに恵まれ、十分満足できる人生を送っているだけで幸せなことだと思い直した。
「あぁ~すっきりした」という感じかもしれない。
キャストの松坂桃李さんと清野菜名さんは、天沢聖司と月島雫というピュアな二人にピッタリだった。そして、二人の中学生時代を演じた中川 翼くん、安原琉那さん。こんな純粋無垢な中学生になりたいなぁ~とも。
4人のお陰で、しばらくの間かもしれないが、心洗われ、ピュア気持ちになれたことに感謝したい。
おじいさん役で近藤正臣さんが出演されていた。若かりし頃からクールなイケメンで、その後は善人も悪人も、どんな役でもピッタリ嵌ってしまう役者さんであり、何とはなしに、安心感を与え、映画の安定感を醸し出してくれる。今回もそんな気持ちにさせられた。
杉村竜也役の山田裕貴くんは、「ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~」から注目している役者さん。今回も、重要な役柄。まんまな感じがするほど、ぴったりだった。
津田みどり役の松本まりかさんは、印象が全く違う役を演じていたけど、すごみと怖さがこんなに出せるんだと感心した。
他のキャストの皆さんもみんな良かった。
この映画を観て、浄化されたような気持ちでいる。
しばらくは、そんな気持ちでいたいと思う。