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スカーフェイスのtjZeroのレビュー・感想・評価

スカーフェイス(1983年製作の映画)
3.9
キューバからの移民で、マイアミの麻薬王にのし上がったトニー・モンタナの半生を描く…。

演じるアル・パチーノ鬼気迫る姿に釘付け。
眼ヂカラは彼のフィルモグラフィーの中でも最強クラスであり、アップだろうが引いた画であろうが、常にそのギラギラした👀にフォーカスがビシッと合い、観客の視線もその一点に吸い込まれていっちゃう感じ。ダイソン💨なみの吸引力。

そんな演技を引き出したブライアン・デ・パルマの演出も手堅い。
いつもの華麗なキャメラ・ワークは封印気味だけど、面白いオリヴァー・ストーンの脚本をごくオーソドックスに撮りながら、3時間近くを間延びさせない手腕はさすが。

あと、印象に残るのがジョルジオ・モロダー(『フラッシュダンス』、『トップガン』など)による音楽。
いい意味で”軽い”シンセサイザーのピコ♪ピコとした劇伴が、ポップで即物的な’80年代のノリそのもので、作品に合っている。
ある種チープなその音色♪が、家族も組織も、カネさえも信じられなくなり、最後に残るのはコカインだけ…というトニーの空虚な心情ともシンクロしており、壮大だけど虚ろな花火みたいな彼の散りぎわを彩っていた。
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