リッキー

トゥモロー・ワールドのリッキーのネタバレレビュー・内容・結末

トゥモロー・ワールド(2006年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

映画のタイトルからCGを多用したよくある近未来の世界を予想していましたが、爆破シーンから始まり期待が高まりました。

内容は人類に生殖能力がなくなってしまうというとても深刻なテーマなのに、そこに至る説明が乏しく、テロリストたちが何のために戦っているのか、信念がよく解かりません。
そして作品の中で重要な妊婦をどこへ連れて行き、どうするつもりかも描ききっていません。きちんと登場人物達の苦悩や葛藤の人間ドラマもしっかり描かれているだけに残念です。
原題は「The Children of Men」というとても良いタイトルなのに、ひどい邦題です。

最後のクライマックスの戦闘シーンの映像はドキュメンタリータッチで「手持ちカメラ」で撮影されているようで画面が揺れます。プライベートライアンを思い出しました。大画面で鑑賞することをお薦めします。
区切る事無く撮りきる映像は、臨場感溢れ、従軍カメラマンが戦争現場をリアルに伝える映像のように登場人物と劇中の展開が生き生きと描かれています。

主人公、乳児と母親が廃墟ビルからゆっくりと脱出する際に移民も兵士も皆表情か変わり、まるでイエス・キリストの誕生を意識させるものを感じさせました。

彼女はどこから来たのか決して言わない。昨日なんかどうでもいい、もう過ぎてしまったこと、太陽が輝いてるあいだに真っ暗な夜に誰も知らない。彼女はやって来て 去っていく。
挿入歌の「ルビーチューズデイ」がここで活かされています。
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