円柱野郎

男はつらいよの円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

男はつらいよ(1969年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

フーテンの寅さんこと、車寅次郎の周囲で起こる騒動を描いた日本を代表する人情喜劇。

子供心に、親の観ている「寅さん」シリーズを何度か横目で観ていたけど、やっぱり子供の俺には面白さは分かっていなかったと今では思う。
大人になって観ると、その下町風情の懐かしい雰囲気や、どこまでも余計なことをする寅さんの行動、周りの人々の嘆きや喜びにイライラしたり笑ったり。
そして最後には何とも言えず爽やかな気にさせてくれる訳で、ああこの後に全48作も作られた人気の原点は全てここにあるんだなと感じた次第です。

登場人物達の怒鳴り合うという行動にも根本的には愛情があり、下町風情が相まって何とも言えないノスタルジーさがある。
それは今だからそう思うのかも知れないけど、でもそれが“ある時代の日本”という舞台の中ですごく魅力を感じるんだよね。
きっとその感覚は今後何十年経っても変わらないんだろうと思った。

今作のマドンナは光本幸子が演じる御前様の娘。
個人的には悪気もなく寅さんを振り回すだけで少々好きになれないし、惚れた寅さんは仕方がないが気の毒だ。
妹のさくらと博をくっつける切っ掛けを(図らずも?)作った寅さんだけど、自分が惚れた相手とは上手くいかないとは。
男はつらいわw
でもそれが「寅さん」なんだよね。
円柱野郎

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