きざにいちゃん

マイ・フェア・レディのきざにいちゃんのレビュー・感想・評価

マイ・フェア・レディ(1964年製作の映画)
3.5
BS4Kで4Kリストア版を鑑賞。当時最先端のオリジナル65ミリフィルムだけに、衣装の細部の造作や質感まで美しく修復されている。と言うより、公開当時よりも高精細なのではないかと驚く。ただ、元々が舞台劇なので室内セットでの撮影が多く、高精細ゆえに、そこも際立ってしまってはいるが……
ミュージカルが苦手なので、最後まで見たのはこれが初めて。この後、「プリティウーマン」始め、作劇パターンがたくさん模倣された作品なので、一度見ておかねばと思っていたが、4Kのお陰でようやく最後まで観ることが出来た。やはり古さゆえのユルさや大雑把さは否めず、首を傾げてしまうところ、失笑してしまうところは沢山ある。しかし、伏線の張り方とその回収の仕方は、多くを語らない、やや暗示めいた小粋な会話で品良く余韻を残していて見事であり、名作として今なお語られるだけのことはある。
ラストシーンの「上履きはどこだ?」も分かりにくいが、それ故に解釈は観る人の想像をかき立てる、余韻ある面白い締め方だ。
タイトルのマイフェアレディは、教授邸がメイフェアにあって、イライザの訛りでマイフェアと発音されるから、という説があり、成る程と膝を打った。(タイトル名の意味は諸説ありますが…)