滝和也

ディスクロージャーの滝和也のレビュー・感想・評価

ディスクロージャー(1994年製作の映画)
3.3
勝手に名付ければ
マイケル・ダグラス
女難三部作完結編か…

前2作は身から出た錆
だが…今回は思いとどまる
にも関わらず…
またも女が襲ってくる(怖)

「ディスクロージャー」 

この時代のマイケル・ダグラスは乗りに乗ってましたね。危険な情事、そして氷の微笑と次々に恐ろしい女と絡む役がやって来て…こちらは第3弾目。

幸せな家庭を持つハイテク企業の製造部長トムは昇進確実の業績を残しながら、昇進を見送られた。そのポストに就いたのは嘗ての恋人メレディス。メレディスは即日トムに迫る…私を抱きなさい!と。魅力的な彼女だが家庭を持ったトムは拒否。その場を立ち去る。だが翌日出社した彼を待っていたのはメレディスに彼がセクハラをしたと言う訴えであり、認めれば左遷で済ますと言う話だった。怒りに震える彼の下にフレンドを名乗る謎のメールが届く。それはセクハラに対する的確な支持だった。トムは弁護士を雇い会社と彼女に戦いを挑む…。

前2作は物理的にマイケルを抹殺しようとしてくるが、今作は会社、社会的にマイケル演じるトムを抹殺にかかると言う…いずれにしても洒落にならない事態ですが…。まぁ結局凄い美人、今作はサイボーグ化前のデミ・ムーアが抱きなさいよとばかりにやっぱり物理的に襲ってくるし(笑) やっぱりどんな美人でも無理やりされるのは怖いわ…男でも…。

ただ…前の2作(最早勝手にシリーズにしてますが…)に比べて大人しいと言うかスマートなんですよね。確かにセクハラ、パワハラを扱い(しかも女性からの!)ショッキングな内容。ハイテク企業設定ゆえの未来的設定(メールやTV電話、そしてVRまで)が登場してくるので作品としての先鋭性が感じられます。(今や当たり前かですが)

ただ…そのシーン自体は明らかに氷の微笑ほどエロくないし、それが何回も打ち込まれる訳でもない。また危険な情事ほどのショッキングなシーンやサイコパス的な怖さもない。今作は真面目なんですね。前2作はある意味エログロさが飛び出ていて好奇心を擽る内容だったわけです。

セクハラ冤罪でハメられた男が如何にして逆転するのかと言う(勿論これ以外にも真意は有りますが)サスペンスに留まってるんです。それ以外の志向が無く、前2作程のインパクトが無い…薄っぺら…これが今作の弱点になってる気がします。 

マイケル・ダグラスはいつものセクシーさを売りにしたキャラクターですが、今作では思いとどまる普通の家庭人、仕事を愛し、家族を愛している良きパパ役。唯一元カノがまずい方だったと。

元カノにデミ・ムーア。ゴーストで清楚な魅力でスターになった彼女ですが、正直この辺りから迷走してますね。この役は受けるべきじゃなかった。ただの性悪女でしたからね…悲しいほど。体の張り方もイマイチですし…。前2作の女優さんに比べて評価もされてないですし…。

前半は胸糞悪いし、中盤のセクハラ協議はあっさりだし、後半は企業モノになりますし、唯一フレンドの存在が興味でしょうか。誰なんだろと言う部分。まぁそれなりのレベルしかないですが︙。

やはりエログロ監督のヴァーホーベン辺りが監督だったら、エログロかつエグい作品になり、ガツンと来るよう作品になった事でしょう…。あんまりオススメはしないかな〜(^^)
滝和也

滝和也