しぇんみん

スタンド・バイ・ミーのしぇんみんのレビュー・感想・評価

スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)
4.0
"ぼくのそばにいて欲しい..."

物語を作る才能がある内向的で真面目なゴーディ。
家庭に問題があり将来を悲観してはいるが正義感に溢れるクリス。
父親に虐待を受けているがその父を愛する眼鏡のテディ。
太めで臆病なうっかり者のバーン。

本作は、この四人の少年たちによる、ひと夏の他愛もない冒険小旅行の物語だ。

「死体を見たくないか?」

主題は「死体探しの旅」であるが、年上の不良グループとの諍いも適度に絡めつつ、それぞれ家庭に問題を抱えた彼らの身の上が分かり易く表現されており、誰もが通過するであろう「大人」への純粋な憧れが清々しく描かれている。

その道中での多感な少年の行動や心理の細かな描写が素晴らしく、彼らの友情が心に沁みた。

リバー・フェニックスを始めとする、子供たちの演技の新鮮さも見どころだ。

特に焚き火のシーンで、クリスがゴーディに「大人の裏切り」について告白するシーンが素晴らしい。

対比的に、大人になるために色々なものを失わざるを得なかった寂しさ、虚しさを感じさせるリチャード・ドレイファスの存在感も特筆ものだ。

また、主題歌である"Stand by me"の素晴らしさは、言わずもがなだろう。

この映画のために創られたと思えるほど作品にマッチしており、エンドロールでこの歌が掛かると物語の感動も一入となる。

作品としては小粒に映るが、誰もが懐かしさと清々しさを感じる内容は素晴らしい。

ハナマル!

2017/04/16
しぇんみん

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