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スタンド・バイ・ミーのninaのレビュー・感想・評価

スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)
5.0
『あの12歳の時のような友だちはできない。もう2度と…』

夏になれば必ず観る、私の人生の作品です。
初めて観たのが小学2年生のうだるような暑い日。内容は全くもって理解できなかったけど、なぜか強く心を惹かれてその日から映画に恋をしました。
それ以来、毎年夏に観賞し理解を深め、いつしか自分の人生の核となる作品になっていました。

正直死体を探しに行くなんてふざけた動機で始まった旅なんて、不謹慎極まりない。
でも、ここには言葉に表せない青春の全てが詰まっている気がしてならない。
映像も、音楽も、セリフの言い回しも、物語も、クリスとゴーディの友情も、何もかもが羨ましくなるくらい綺麗。
私はこんな青春を過ごすことができなかったからこそ、尚さら綺麗に見える。羨ましくなる。
たった2日の出来事なのに、まるで彼らの何年間もの時間を見てる気がする。それほど、大事なことや欠かせないものが詰まっている。

テディが『子ども時代は2度とこない』ってセリフを無邪気に言うんですけど、それがまた胸をえぐる。
彼らは知ってた。子ども時代が戻らないことを。だからこそ、全力で喧嘩して、全力でバカして、全力で泣いた。私にもこんな友人がいたら人生変わっていたかもしれないなぁと、毎回思いながらいつも同じところで泣けます。

個人的に、バーンのキャラと、キャンプの夜に話してるグーフィーのくだりがものすっごく好きです。どうでもいいくだらないことで何時間も話せるなんて素晴らしいことはない。

ゴーディは、それまで世界の全てだった町が、2日間の小さくて大きな冒険を終えて、とても小さく思えたらしい。それほどのひと夏の体験をしてみたかった。この映画には、憧れしか詰まってないから、強く惹かれるんだろう。
また来年の夏にきっと見たくなる。そしてきっと同じことを思うはず。
nina

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