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悪魔はいつもそこにのninaのレビュー・感想・評価

悪魔はいつもそこに(2020年製作の映画)
3.5
「死ぬために生まれてくる者もいる」

不幸と負を煮詰めて煮詰めて凝縮してできた作品。信仰心は時に救いとなり、時に狂気となる。主であったり自分の核となるものに縋りつく人々を観ていたら、本気で信仰しているのか、それとも体良い言い訳に使ってるのか分からなくなってきた。
進撃の巨人のセリフにも、「みんな何かの奴隷だった。なにかに酔いしれないと生きていけなかったんだろう」みたいなセリフあるけど、それをヒシヒシ感じた。

とにかくトムホの演技の振れ幅の広さに驚いた。スパイダーマンしか観たことなかったけど、こんな危うげな雰囲気も出せるんだね。
大人になりきれてないけど少年ではないっていう雰囲気がすごくマッチしてたように思う。
あとロバート・パティンソン…。エドワードの正反対のようなクズっぷりを見せてくれてありがとう🥲いい意味で印象ぶち壊された。正気じゃないようなふわふわした話し方、最高にムカつきました笑

全体的に重苦しいし、アクションが派手とか言うわけでもなく、部分部分だけ見ると地味な映画なのに、関係なかった点と点が結びついていくのが、パズルが完成するようで観ていて気持ちいい。パルプフィクションを思い出したなぁ。
強すぎる信仰心も、強すぎる愛情も、形を変えて悪魔になることもある。そういう考え方が好きやから、けっこうお気に入りのストーリーでした☺︎
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