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最初で最後のキスのninaのレビュー・感想・評価

最初で最後のキス(2016年製作の映画)
4.5
「生きるため 勇敢になるため生まれたんだ」

「それは永遠に記憶に刻まれる奇跡のような日々だった」

そこまでしなくてもいいじゃないかと思わずにいられないラスト。3人の友情がキラキラしてたからこそ余計にラストに胸が痛む。
川辺で遊ぶ3人を観ていたら無性に悲しくなって自然と涙が溢れた。

個性的で我が道を行くロレンツィオは、ゲイであることを隠しもせず転校早々目立った行動をして浮いてしまう。そんなロレンツィオは、異性関係にだらしないからと学校内ではみ出し者のブルーと仲良くなり友だちに。ブルーのことが好きなアントニオに恋したロレンツィオに気づいたブルーは、アントニオも仲間に引き入れ気づけば3人でいつも過ごすように。
この平凡な幸せがずっと続くと思っていた。あの日を境に全てが変わってしまった。

現代の話やと思うけど、LGBT問題にネガティブなイメージを持ってる設定に驚いた。
まだそんなもんなのかな。異性のこと好きじゃないと犯罪にでもなるの?同性愛者であなたに迷惑かけました?っていう素朴な疑問すら持たない集団意識って怖い。海外でも田舎の方に行くとそんな凝り固まった考えなんだなと分かる内容だった。
ロレンツィオはずっと自由に生きてて、それが眩しくて眩しくて、私にはほんとにスターに見えた。正直まわりにいたら何がなんでも友だちになりたいもん。
ブルーと心置きなく話してる関係性が好きだったな。
アントニオの気持ちも分からんでもない。だって自分は異性愛者だから周りからお前もか?なんて言われたら嫌だと思うのもわかるし、それが原因で好きな人からどう見られるか気にするのもわかる。
でもあんな時間一緒に過ごした人にすることじゃないよなぁと後半からほんとに胸が痛かった。
あの時アントニオがもう少し大人になってくれてたらこんなことにならなかったのになと思うばかりです。成長のタイミングって人それぞれ違うけど、そのタイミングがズレるだけでこんな悲劇が起きるんやなと。

ブルーに起こった事件も決して許せたものじゃないけど、ロレンツィオの悲劇のほうが衝撃で最後そっちについては何も考えられなかった…。また心にゆとりができたらもう一回見直してみようかな。
とにかく、悲しい映画でした。久しぶりに映画見てこんな落ち込んだ。
nina

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