ジャケットと監督デヴィット・リンチという情報から、この監督らしい前衛的なホラーかな?と思ってたんですが、シリアスで重厚なヒューマンドラマもの てか実話なんですねこれ
ものの見事に名作でした…!全然想定してない内容だったことも相まって深く心打たれました
ジョンのパーソナリティーがわかってから、病院内の人々と少しづつ心を通わせる描写が非常に良いですね 中盤の医師夫妻の家を訪ねた時の奥さんとのやりとりは今までの無残なジョンの半生が想起され、涙腺崩壊するかと思った
その分、酔客にもみくちゃにされたり、バイツにめためたにされるシーンは見ていて非常に辛くなります…駅のトイレで追い詰められた時の「こんな姿でも人間なんだ!」というジョンの叫びは胸を締め付けられるような気持ちになりました
ただ単純に病院の人たちいい人ー!ってので終わらずに、途中で医者が思い悩むように、自分たちの行動が果たして良いことなのか?と思い悩むシーンが入って、映画のテーマが単純な感動モノに収まらないところも非常に良い
他の作品にあるような難解で抽象的な表現は控えめですが、見世物小屋のシーンや、途中で挿入される工場のシーンなど、いわゆるデヴィット・リンチらしいところも楽しめます
「これで終わった」と呟いて迎えるラストシーンはBGMも相まって物悲しい…