みりお

タイタンの戦いのみりおのレビュー・感想・評価

タイタンの戦い(2010年製作の映画)
3.1
ゼウスの子、半神半人のペルセウスにまつわるギリシア神話のうち、いいとこ取りだけして、ペルセウスをヒーローに仕立て上げたお話。
メデューサの首を取りに行く理由や、アルゴス(強いて言うならアンドロメダ)を救う理由は、本来私利私欲によるところが大きいのだけれど、それを英雄化しつつ、でも人間であることを敢えて選んだかのように描かれていて、小さい頃読んだギリシア神話のほうが、よっぽど人間臭いものだったなと感じてしまう。

でも闘いに次ぐ闘いで、娯楽作品としてはおもしろかった。
色々詰め込んだ割に時間も長すぎない。

一つ残念だとすれば、時間を短縮しすぎて、ペルセウスと、彼を取り巻く人間たちの心の交流が一切見えなかったこと。
イオを愛し始めていたことも、アルゴスの戦士たちと強い絆で結ばれていたことも、彼等がピンチに陥るまで全く伝わってこない。
人間であることに拘るペルセウスを描きたかったのなら、もっと人間臭く、かつ心を通わせるシーンを盛り込んでほしかった。
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