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ガールフレンド・エクスペリエンスのRのレビュー・感想・評価

4.1
まだ見てなかったソダーバーグを見ようの会。世界一好きな監督のひとり。本作の主人公はエスコートガールのチェルシー。彼女がいろんな男たちとデートして、時にはセックスして、という様子が淡々と描れていく。相手の客に対してまったく心を閉ざしていながら、まったくそれを相手に感じさせず、金を介在しているにも関わらず、みんな彼女に深くケアされてるかのように感じて、べらべら自分の喋りたいように喋ってる。それをジャッジすることなく受け入れ、柔らかく返答することで、まさにガールフレンドエクスペリエンスを与える。結構年配な男たちでさえ自分が彼氏になったかのように得意になり、少年のように喜び、癒され、自分を大きく感じられる。それを見てると、男ってみんな、いくつになっても男の子なんだなぁと思わされる。けど、その経験を得るために、金を払わないといけないというのは何とも哀しいことだ。チェルシーはプライベートでもあまり感情を表に出さず、常に淡白なので、何を考えてるのかホントによく分からない。ジムのトレーナーをしてるチェルシーの彼氏は、彼女の仕事に口出ししないようにしながら、愛してるので当然気になってて、時代的にアメリカの経済が良くないときの話やから、自分の経済的な心配もあるしで、気持ちがぜんぜん落ち着かない。チェルシーはトップのエスコートガールを目指し、オシャレして、いいサービスを心がけ、何とかネクストレベルに行こうとしてる、でも、一体何のためなんだろう。底意が読めないなぁと思ってると、人格占いに書いてあった最高にマッチする誕生日の客に本気で心惹かれたりする。マジわけわからない。男には絶対計り知れない女の意味不明さ。人物のひとりが、女は最悪の生き物だ、ハイエナよりタチが悪い、と言い切っててた。確かにそういう女は多いと、多くの男が思っている。にも関わらず、男はみんなお子ちゃまやから、天使みたいな女の子と出会うことを夢見てる。憐れなる男の性。とは言え、多くの女のほんとのほんとは、案外ただ単に欲が深いだけだったりするのかもしれない。少なくともワガママではあるだろう。まぁ、最低な男たちもたくさんいるのでね。どっこいどっこいだ。もともと人物のエモーションに入っていくというより、それを外からとらえて観察するような趣のソダーバーグ。内容よりも題材をどんなスタイルで表現するかにより深い関心を持ってるっぽいソダーバーグ。そんな彼の意識がある意味最も尖った形で表れてるのがこの作品かもしれない。だから何が面白いのかさっぱりな人もいるだろう。ソダーバーグ映画はスルメなので、見るたびに発見があり、情感が深まる。もし一回目で楽しめなかったら最低3回は見ないといけない。面白かったけど他の作品ほどは楽しめなかったなーと感じてるボクも、きっとこの作品を何年後かに見直すことだろう。とはいえ、ラストシーンはいろんな意味で心に残るものだった。あれ、きっと、出しちゃってるんだろーなぁ。何だかなぁ。言葉にできないこの感じ。すごいな。ちなみに主演のサーシャグレイは若くして何百本という数のポルノに出演したトップポルノ女優であるらしい。にしてはぜんぜんかわいくねーーー笑 まぁ可愛かったらポルノ女優なんてならんのか。まさかアメリカ人てこういうのが好きなのか⁈ マジ理解不能。いろいろ理解不能!!! 女の人の感想がとても気になる作品。
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