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梟ーフクロウーのRのレビュー・感想・評価

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)
5.0
うおーーーーーー!!! めちゃくちゃ興奮した!!! めちゃくちゃ面白かった!!! これほどハイなスリルを味わった映画ってパラサイトぶりじゃないか⁈ 韓国映画ヤバ!!! 見終わったあとの満足感が半端じゃない!!! ダークな中にうす暗く浮かび上がる端正な映像、凄まじい緊張感みなぎるミステリーとサスペンスのブレンド、こんなことされたら一瞬たりとも目が離せないじゃないか! 上映後思わずひとり立ち上がってブラヴォーーー!!!と拍手喝采したくなる見事さ!!! ひとまず言わせていただきます。私、何だかんだで、歴史物って導入がちょっと苦手。いや、かなり苦手。しかも韓国の俳優さんたちあまり知らないので、最初、だれが誰だかよくわからなくて、どの役職がどの人でとかもややこしいし、大丈夫かなー、と不安やったので、これは知っておいたほうが見やすいだろうと思うところまでは書いておきましょう。まず、主人公のギョンスは非常に技術の高い盲目の鍼灸師で、貧しい生活のため、心臓病を患う弟のために薬を入手するのに大変な苦労をしている。そんな彼の鍼灸の腕を耳にした王室医にスカウトされ、弟のためにもなるので、とりあえず最初の1ヶ月間研修で弟と離れることになるけど、王宮で働くことを決心する。最初は、盲目であるため何もできひんやろと雑用ばかり任せられるんやけど、その雑用も素晴らしい出来栄え、鍼灸の才能も認められ、ついには、皇太子の治療を施すまでになるのだが……と同時に、朝鮮王朝と清と明との関係のシフトも描かれていく。ここもちょっと分かりにくいので、軽く説明をしておくと、朝鮮王朝の王様の息子、つまり皇太子のソヒョンは清にて人質として8年間暮らしてて、妻と共に朝鮮に帰って来たばかり。清は西洋文明との交易ですごい勢いで力をつけてるから、清に忠誠を尽くせば王朝も安泰だと考えているが、王は明に忠誠を尽くすんだと主張して聞く耳持たない。明なんてもう滅亡したようなものなのに。という歴史的背景が一応あって、ほんで、皇太子夫妻の間には息子がいて、ずっと両親と離れて朝鮮で暮らしてきたから初めて父上母上と会えて感動ひとしお、みたいなこともからんできつつ、いろんなことが展開していきます。前半は、ここら辺の事情をある程度理解しておいた方が、映画の世界に入りやすいのではないかなと思いました。正直自分はかなり頭使いながら見たので、ちょっと序盤しんどかった笑 で、皇太子が咳が止まらず体調不良ということで、深夜にギョンスが呼ばれ、皇太子はギョンスの腕に感心、皇太子とギョンスの間でちょっとした心温まるやりとりがあり、そして、実はギョンスにはある大きな大きな秘密があり、それを共有するまでに関係が深まっていく。しかし、後日、深夜に皇太子が急病になったということで、今度は王室医とギョンスがふたりで治療に取り掛かるのだが……ってとこから一気に映画のテンションが劇上がり! ここからとんでもない勢いの怒濤の展開になっていき、「見る」という行為とそのビジョンの迷宮のなかで、二転三転七転八倒のすさまじいスリルとサスペンスのジェットコースターでぐおーーーーーーーーーーー!!!揺られ揺らされ、面白すぎて興奮が!興奮がああああ!!! 抑えがたきアドレナリンドライブ!!! 本作のめちゃくちゃおもしろいところは、そこからほとんどのシーンが夜闇のなかで進行していくこと。映画の照明が全体的にこんなに暗い映画を見たことがないというくらい。見えにくいようでありながら、ちゃんとしっかり見えてる、しかし、目を凝らさずにはいられない、この絶妙な闇の塩梅が素晴らしく、しかも暗いからこそ、針の音、紙の音、衣擦れの音、などなどが強調されてさらにスリル増大! このオーディオとヴィジュアルは映画館で見るにぴったり! もし自宅室内で見るなら、深夜しっかり暗い部屋で、ヘッドホンを装着して大きめの音量で鑑賞することをおすすめしたい。昼間とかに見たら画面暗すぎて見にくすぎるんちゃうかな。そんな暗闇と静けさのなか思惑と陰謀が複雑に錯綜するどす黒いドラマからマジで一瞬たりとも目が離せない! 特に、ふたつ目にとある事実が明らかになるときの、え? え? どういうこと? どういうこと? 頭のなか整理つかへん! ってなってから、徐々にほぐれていって、ぐわーーーーーーーーそーいうことかーーーーーーーーーー!!! ってなったときの僕の戦慄と喜悦にひきつりまくった顔をぜひ見てみたい! そして、まーーーーったく何もかもに無関係だった部外者が巨悪の禍に巻き込まれ、その中心となってしまう不条理さを思ったときの気の遠くなるような疲労感……もうやめたげてーーーーーー!!!😫😫😫 さてもう一点、メンションしなければならぬのが、俳優さんたちの魅力のバカ高さ! 僕の一押しは皇太子くん。イケメン過ぎるし、針のシーンの半裸セクシー🤤……と思って鑑賞後ネットでキム ソンチョルさん検索して画像見てみたら、あれ、あんまりイケメンに見えへん。そういえばあとあと考えてみるとなんだかんだで主人公のギョンス君もなかなかいい男だったなよなぁ思ってこちらも検索、リュ ジョンヨル、あれ、ぜんぜんイケメンに見えへん。韓国人俳優ってほんま不思議。写真ではとらえることのできない、つかみどころのない、まぼろしのような色気。すすすすすばらしい!!! この二名に釘づけでしたわ。他の人たちもみんなそれぞれいろんな意味で並みならぬ存在感を発してますけど、ほんまに、このふたりを見直すためだけにもう一回見たいと言えます。話の面白さも抜群やし。頭のなか整理された状態でとりあえずもっかい見たいなー。細かい演出とかもっと深く楽しめそう。で、ただ娯楽として消費される面白いだけの話かっていうと、そういうわけでもないんですねー。テーマ性もすごくしっかりしてる。あなたは、自分より立場が上の人間が不正や悪を行うのを偶然目にしてしまったとき、そして自分自身の利益や身分が天秤にかけられたとき、あなたは、保身よりも正義を選択することができますか? これです。これが最後にずーんと心に残ります。また、権力者が権力に執着したその果てにあるもの、そこにも非常に重みのある決着がつけられる。お見事!!!👏 こんなに純粋に面白くて、人間の暗部をえぐり、深海のようなねっとりとした深みをたたえた娯楽映画の傑作に出会たことが僕は非常に嬉しいです。誘いがなければ確実に見に行かなかったであろう本作に誘ってくれたわが友に感謝の意を表して、感想文を締めくくりたい。もー、待てない、いますぐ見直したい!
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