滝和也

世紀末救世主伝説 北斗の拳の滝和也のレビュー・感想・評価

3.7
199X年世界は核の
炎に包まれた!

天空に2つの極星あり…
陰と陽、北斗と南斗。
2つが交わりし時…
救世主が現れる!

ラオウ死すべし!

「世紀末救世主伝説 北斗の拳」

云わずと知れた80年代の少年たちの心を熱く燃やした大傑作漫画、北斗の拳のリアルタイムでの映画版。アニメもまだ放送中であり、原作も完結していない状況で作成された作品のため、原作序盤から中盤までのストーリーをコンパクトにまとめてオリジナルストーリーで描いています。※こちらのレビューは北斗の拳を知らない方向きに作成しておりません(笑)

嘗てリアルタイムでみた際は原作の印象が強すぎて、カットされた部分、改変が気になり良い評価では無かったのですが、今見てみるとこれが意外に纏まってる(笑)お話の柱部分や後付された展開を上手く繋いでいる事に気付きます。

北斗神拳伝承者の兄弟による争い、ユリアとの愛、南斗聖拳シンとの争い、南斗水鳥拳レイとの絆とその辺りはきっちり描かれてます。要は枝葉末節を全て省き、レイvsラオウ戦からのケンシロウvsラオウ戦までを描き出しています。

その中で核戦争後の世紀末と言う暴力の時代を生きる者たちの希望をユリアが見つけリンが育てる花と言う、平和への変革の象徴として描いています。また次世代への希望としてリンがより、わかりやすくフューチャーされているのも特徴でしょうか。また暴力の時代を一旦力で収めようとするラオウもわかりやすく描かれています。

南斗水鳥拳の使い手であり、南斗六星拳の義の星を持つレイのストーリーはマミヤの存在を省いた程度の内容で描かれており、もう一つのストーリーの柱になっていたのは好感ですね。原作のラオウ編中盤の山でもありましたし。(当然これ以後のユダ、サウザー、シュウ、南斗五車星は出てきません…)

悪役もジャギは原作ほぼそのままで出てきますし、序盤のザコ悪たちも立場を変えて登場してくるのも中々楽しい。ハートや牙一族、族長ウイグルあたり。ジードはそのままか(笑)

序盤最大の悪役であり、その魅力溢れたキャラだったシンはキャラはそのままですが、ややラオウやレイの存在に煽りを受け扱いが小さいかなとは思います。

因みに原作のバイオレンス描写、所謂南斗、北斗神拳の人体破壊描写がTVでは不可能で透過光になってましたが、こちらは比較的描写されてるのも映画版ならではでしょう。またアクションはダイナミック過ぎて拳圧でのビル破壊シーンは戦争ものレベルなんですが…(笑)

これ今見ると入門編としては最適なんでしょうね。ストーリーわかりやすいし、TVアニメも見たくなりますよね。最大の省きは北斗神拳伝承者を争った次兄トキの存在ですから、そこをTVアニメで補完できますので、見たい方はあの話数を見てと言うしかないし(笑)

何にせよ、北斗の拳は面白い。熱き男たちの戦いを見たい方は是非見てほしいですね。
滝和也

滝和也