Fitzcarraldo

オクラホマ・キッドのFitzcarraldoのレビュー・感想・評価

オクラホマ・キッド(1938年製作の映画)
1.4
初期チャップリンの映画に多く出演していたLloyd Bacon監督によるオクラホマのタルサを舞台にした西部劇。

言ってることに筋が通らない上に、銃弾も全く当たらない無敵の男オクラホマ・キッドを演じるのはJames Cagney。

その敵役マコードには若きHumphrey Bogart。


ネイティブ・アメリカンに金を払って土地をせしめた連邦政府。その銀貨を運ぶ途中を狙って強奪するマコードたち。

そこにふらりと無敵のキッドが現れ、1人でマコード連中を一蹴してしまう…というか弱すぎないか?マコードたち何人いるのよ?5〜6人いるんちゃう?

早々と銀貨を捨てて退散するなよ…
完全に数的有利なのに…

しかもジェームズ・キャグニー小っちゃいんだよね。それで無敵感出されても…なんの説得力もないまま好き勝手できる謎展開…気に食わん。


◯BAR

判事
「土地の争奪戦に興味がないのか?」

キッド
「俺には関係ない」

判事
「自分の町を築くんだぞ」

キッド
「ご勝手に」

判事
「国に関心がないのか?文明を築く様子を見たくないのか?アメリカ人だろ?」

キッド
「国は好きだし、文明の建設にも反対しないが、オレは興味ない」

判事
「どんな家の出身だ?」

キッド
「神と法律を重んじ町の建設に熱心な家さ。でもおれは土地などどうでもいい。のんびり生きたいんだ」

判事
「なるほど。責任も野心も持っていないってわけか?」

キッド
「そのとおり。家族と不仲でね」

判事
「反社会的な青年だな」

キッド
「そんなことはない。社会的だし、人が好きだ。ただ町の建設には加わらない」

判事
「なぜだ?」

キッド
「説明しよう。いいか。そもそもだが…先住民の土地の略奪では?」

判事
「金を払ってる」

キッド
「銃で脅し、わずかな金額で同意させただけだ。そこに白人が移住し、文明を築く。素晴らしいね。町が栄えれば不正に儲ける連中が現れる。私腹を肥やす政治家もわんさか出てくるさ。俺は関わりたくない。小さい頃、教わったよ。強者は弱者から奪う。だが、賢者は強者から奪う」

判事
「不当に奪わせないために法がある」

キッド
「知ってるよ。法が守ってくれることもある。たが、ここで法は通用しない。ここで役に立つのは拳銃だけさ。時間の無駄だ。飲もう」



"銃で脅し、わずかな金額で同意させただけだ。そこに白人が移住し、文明を築く。素晴らしいね。町が栄えれば不正に儲ける連中が現れる。私腹を肥やす政治家もわんさか出てくるさ"

おぉ…急に的を得たことを言い出した。
始まりまで遡れば、これがアメリカの歴史だよね…。

オクラホマ州タルサへ入植していく話だから、1921年に起きた"タルサ人種虐殺"まで踏み込むかと思ったが…


Rosemary Lane演じる判事の娘ジェーンが、なぜダンスで一度乱入してきて踊っただけの男キッドを匿うのか…もう好きじゃん…。軽くフォークダンスみたいの踊っただけで?小学生かよ…


次期町長候補のキンケイドはマッコードの策略で有罪となる…実はキンケイドはキッドの親父なんだと…不仲だったんじゃないの?なぜ親父を助けようとしてるの?


キッド
「法と正義を信じた俺がバカだった」

ジェーン
「父が不正を訴えれば裁判はやり直せる」

キッド
「たぶんね。でも俺はもう信じない。俺は無法者だ。法には殉じない」

ええぇぇぇえ?
もともと銀貨盗むし、無法者にしか見えなかったのに、急に親父のために判事を迎えに馬で駈けるし…その時は法を信じてたんよね?有罪になったから無法者に戻るの?

なんだかなぁ…勝手だよ。


そして親父の捕まってる牢屋に堂々と正面から入り3人を相手に手を上げろ!
…またも余裕で勝ててるし…

1対3なら勝てるだろ…
あんな小さいんだし…

さらに、ご丁寧に「親父はどこだ?」
と質問するキッド。
番人は当然「親父?」となる。当たり前だよね、みんなオクラホマ・キッドの本名は知らないんだから!

「キンケイドだ!」

と、親子関係を大きな声で宣伝する。
次の展開のためだけに!

限られた人しか知らないのに、なんでここで自分から言っちゃうのよ!バカなの?



裏家業を牛耳るマコードの熱弁に煽られ、キンケイドを縛り首にする民衆。

これは…トランプに煽られて「ペンスを吊るせ」と縄を持って議事堂に乱入した奴らと同じではないか…似てるぞ雰囲気まで。これは国民性として奥底にある部分なんだろうか?


仇討ちに向かうキッド。

キミはいつからそんな親想いになったんだね?無法者でも親との契りはあるのかな?

これまた酒場に堂々と入っていくキッド。

屈強そうな荒くれ者ばかりが酒を飲んでいるのだが、二丁拳銃のキッドの言いなり。

えぇぇぇー?!

なんで誰も歯向かわないの?
大人しく手を上げてるんですけど…
ついさっきの暴徒っぷりはどこにいったのよ?なんで急におとなしいの?

相手は小さいの1人なのに…

もう早く終わらないかな…
見てるのが苦しい。


方々に散って逃げたマコードの手下たち。
ひとりひとり探して殺めるキッド。

最後の1人だけマコードの指示だと証言させるために連れ帰る。はい?無法者なんじゃないの?なんのために証言させるわけ?

そんなの関係なく無法者なら無法者らしく全部殺せばいいやん。

そして…いよいよマッコードのところへ…
いや、初めから大本命なのアナタも分かってるでしょ?最初からここに来たらええやん。

いつも正面から堂々と入るのに、なぜかこのマコードの時だけ勿体ぶって建物の影から様子を見るキッド…なぜ?

いやいやいやそんな慎重な行動いままでやったことないやん!いつも通り正面から行けや!

すると、保安官に就任した兄貴が先に店へ。マコードに振り向き様に撃たれる兄貴。

銃声を聞いて正面から飛び込むかと思ったら、なぜか裏口から2階へ回る。
いよいよマコードとの大一番…何の楽しみもないのだけど…

マコードはキッドの兄貴を撃った銃を持ってるはずなのに、なぜかキッドと肉弾戦に持ち込む。なぜ?撃てよ!

ラストは誰もが思い描く通りの展開へ…
また時間の無駄をした。
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