Fitzcarraldo

ブルース・ブラザースのFitzcarraldoのレビュー・感想・評価

ブルース・ブラザース(1980年製作の映画)
1.3
アメリカNBCの人気番組『サタデー・ナイト・ライブ』の人気コーナーのキャストとバンドをベースに、ストーリーをつけて映画化したもの。


映画の話になると何かと面白いと名前の挙がる本作。え?見てないの?というリアクションを取られることが多いので、早く見なくては…という強迫観念のもと鑑賞。

結果からいえば…何の緊迫感もない大袈裟なカーチェイス映画。これはコメディなの?コメディのジャンルからも弾かれてしまうくらい全く笑いどころもない。ただ無駄に破壊活動してるようにしか見えない。必然性がまるでない。一体どこをどうやって笑うのよ?

限りある貴重な時間を無為にしたとしか思えなかった…。



“ファンキー・プレジデント”ことJames Brown登場!40代後半だが、まだまだ声も出てツヤツヤのJBによる教会での説教ライブ!信者達もノリノリになるシーンなのだが…マザームーンこと韓鶴子総裁の前で踊り狂う統一教会信者にも見えてくる…気が触れたようにしか見えない。

そして前フリというか前置きが長い…単にバンドに目覚めるというだけの展開に何分かけているのか…

この黒づくめの兄弟に何の興味も抱かないから、この時点でもう飽きてしまっている。

これ以上先の展開を別に見たいと思えない。唯一の救いはサントラくらい…。



カーチェイスシーン…。
本当に無駄にショッピングモールの中を破壊し尽くす…なんの意味もないシーンにこれだけの予算を使える贅沢さに引いてしまう。これがキチンと笑いになってればまた別だが、一切笑いとは無縁。現代のプロデューサーなら絶対にGOは出ないだろうな…


レイア姫から格下げされたCarrie Fisher演じる謎の女が何の説明もなしにいきなりロケットランチャーを黒づくめの兄弟に向けて発射するも何の笑いにもなってない…

これはNBCの人気番組『サタデー・ナイト・ライブ』を見てれば笑えるのか?

そもそも番組を見てる人のみを前提にして作られているのなら、40年以上も経た現在から見て面白いわけがない。


John Lee Hooker登場!
“Boom Boom”披露するも割と早めにカットされてしまう…


◯ソウルフード・カフェ
黒人のマット夫妻が営むダイナー。

店に入って来てカウンターの端に座るジェイクとエルウッド。

マットの妻として“レディ・ソウル”ことAretha Franklin登場!
黒づくめの2人から注文を取る。

ヘンテコな注文をキッチンにいる旦那に報告する妻。


「黒スーツを着た白人が店に来てるよ」

マット
「何だと?」


「CIAみたいな連中」

マット
「注文は?」


「背の高い方は、白パンのトーストを“ドライ”で」

マット
「エルウッド」


「もう1人は丸ごとのチキン4羽とコーラ」

マット
「ブルース・ブラザーズだ!」

とキッチンから意気揚々と出て、兄弟に挨拶をするマット。

いや、ちょっと待って…最初から目と鼻の先にいる距離感なのだが…1メートル強くらいかな…しかもキッチンから客席のカウンターは見晴らしがいいし…
妻が注文取ってる時点で、すべて聞こえる距離感なのだよ。それを聞こえてない体でもう一度キッチンの中でいちいちやってるのが茶番なんだが…というか、その後にヘイ、ブラザー的な感じでドヤ顔で挨拶してるマットが不自然すぎて気持ち悪い。

なんだろう、このいい加減で適当な演出は。そもそもカウンターの奥(最もキッチンに近い席)に座らせないで、入口に近い手前の席に座らせればそこまで違和感なかったのに…

わざわざカウンターの奥に座る兄弟をドリーで横移動して撮る必要性を全く感じない。カウンターの奥から引きで撮ればいいじゃん。それで手前の席に座らせれば問題ないと思うが…

コメディ?始まって50分過ぎたけど…まだ一度も笑ってない。

そして黒人のマットが、白人の黒づくめの兄弟に向かって「ブルース・ブラザーズだ!」とテンションを上げてる感じも…え、なんで?と疑問に思ってしまう。

何かのインタビューで、白人がブルースを歌えるわけがねぇ、とマディ・ウォーターズだか言ってたと思うが…

黒人のブルース音楽に憧れて白人が真似したものだから、構図としては逆だと思うんだけど…黒人のマットの方が格下な感じが気持ち悪い。この兄弟の方が凄いという片鱗がまだ一度も描かれていないので、なんでコイツらずっと偉そうなの?としか思わない。なんなのコイツら?だれなの?というよくない印象しかない。


映画を見ているお客さんに”ブルース・ブラザーズ”という異名を取るほどの存在なんだという片鱗を見せてほしいけどね。でないと何の説得力もないんだよ。ここまで単に車でドンチャンしてるだけだから。


アレサ・フランクリンの歌の後に、夫マットは逆ギレした感じでエプロンを叩きつけて、兄弟と共に店を出て行くのだが…その道理が全くわからんのだが…

もうほぼほぼ見る気なし。ここから先は早く終わらないかなとしか思わない苦行タイム。


地下トンネルに現れる謎の女、マシンガンを乱射。

ようやく女の謎が判明するも…(大した謎でもなかった。薄すぎて覚えてない)
ロケットランチャー、火炎放射器、マシンガン…と殺すことに執着してる割には、サングラスを外して上目遣いをしたジェイクに見つめられたら、一瞬で何もかも許してしまう。え?冗談だろ?…とツッコミを入れる間も与えず、口づけを交わす。

なんなの?コメディにもなってないし…謎の女のシーンは、まるまる要らない。


頻繁にカーチェイスをするが、その必然性がまるでない。本当に無駄に金を使ってるだけ。もったいないとしか思わない。


黒づくめの2人は具体的に何をしたの?なんで一個師団かのような大群で2人を追わなければならないの?大袈裟なんたけど…何の罪で追われてるのかもよく分からないけど、その罪に対してオーバーだろ?警官から軍隊まで?この大袈裟を笑えってことなのかな?

別に面白くないよね…
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