Fitzcarraldo

セブンのFitzcarraldoのレビュー・感想・評価

セブン(1995年製作の映画)
5.0
最高なバディがサイコな犯人に挑むフィンチャー出世作。

初めて見たのが高校1年生か2年生だったか…ミルズ演じるブラピがカッコ良すぎて即ショートヘアーを真似したものだが、顔が違うから全く別モノが出来上がり、周りの誰からもセブンのブラピを意識してるとも思われなかったのがまたツラい。

雨に濡れた髪を、手のひらでグッと撫で付ける仕草もブラピがやるとメチャクチャ様になっててカッコ良いのだが…高校生の私がやるとペチャンコになってただのスポーツ刈りになるというオチに。

雨の日は敢えて傘もささずに自らチャンスとばかりに頭を濡らしにいっては、濡れた髪の毛を撫で付ける…という行為をよくやっていたが、これもやはり誰からも気づいてもらえず切ない気持ちになったのを思い出す。

出典はブラピだよ!元ネタはミルズだよ!と世界の中心で叫んでいたが…



◯BAR
ミルズとモーガン・フリーマン演じるサマセットが飲んでいる。

サマセット
「私はもう無関心が美徳であるような世の中には、うんざりだ」

ミルズ
「あんたも同じだろ」

サマセット
「違うとは言ってない。私にも十分わかる。無関心が一番の解決だ。人生に立ち向かうより麻薬に溺れる方が楽だ。稼ぐより盗む方が楽だ。子も育てるより殴る方が容易い。愛は努力が要る」

ミルズ
「オレらが話してるのは頭のイカれた奴らだ」

サマセット
「そうじゃない。我々は日常を話してるんだ。お前はウブすぎる」




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◯シャワー室
隠しマイクを仕込むために、鏡の前でサマセットとミルズが並んで胸毛を剃る。

他愛もない会話をしながら胸毛を剃ってる箸休めのようなシーンなのだが、やけにカッコ良く印象深い。当時はまだ胸毛もないのにこの仕草もよく真似してT字剃刀を胸にあててミルズぶっていた…


このミルズという男はネクタイが結べないのか、いちいち面倒くさいからなのか、どちらか理由は分からないが、ネクタイをいつもほどかないで緩めて外して、その結ばれた形のまま置いておく。そしてまた付ける時に頭からくぐって装着する。

ブレザーだった高校時代によくこれも真似していたが、「ネクタイ結べねぇの?」と単なるアホ扱いされて、「いや、ミルズの…」と答えても当然理解されなかった。


久しぶりに見ると…図書館の緑の電気が全部ONになってるのは綺麗なんだけどね、違和感はあるよね?そんでサマセットあの量の本を朝までに全部読んだの?必要箇所を抜き出してコピー取ってまとめて…それを定年前の老齢が1人で朝まで仕上がるかな?さらに毎日のように事件が起きてる中でミルズもダンテ読む時間ある?夜は飲んでるし…時間はないよね?物語の中での時間感覚が少々強引な気はするけど…でも、逆に言えばそれでいいと言える。いちいち現実と同じようなタイム感でやってる方がツマラナイ!これくらい飛ばしても映画だからいいよね…ということを改めて学んだ気がする。
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