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ミッドナイト・イン・パリのHKのレビュー・感想・評価

ミッドナイト・イン・パリ(2011年製作の映画)
3.9
実は90年代以降のウッディ・アレン作品はほとんど観てなくて本作も初見。多作のため、気づくと観てない作品の方がはるかに多くなっていた。
本作はアカデミー脚本賞受賞作なので捻ったマニアックな内容かと思ったら、とてもシンプルでわかりやすい話だった。いきなり不思議現象が起こるところや雰囲気が『カイロの紫のバラ』にも似ている。やたら通ぶる似非インテリ風キャラが出てくるところは『アニー・ホール』を思い出した。やはり時期は違えどいろんな共通要素は持ち続けているようだ。
タイムスリップ先では偉人が“この人がいるならあの人も”と連想ゲームのようにつながって出てくるのが面白い(特に、ダリとブニュエル)。楽しい作品だったが以前のような皮肉や毒気や未練がましさは弱まり、全体に丸く軽くなってしまった感はある。
それにしてもキャストが豪華。この時期はまだ変な噂もなく、自分のステータスアップのためウッディ・アレン作品に出たいという役者は大勢いただろう。また最近の他の作品も観てみようと思う。
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