マイアミの地方局に採用されたサリー(ミシェル・ファイファー)は、元敏腕記者だった報道デスクのウォーレン(ロバート・レッドフォード)に見込まれ、キャスターへの出世街道を駆け上がっていく…。
役柄だけでなく、レッドフォード自身のキャリアとしても『大統領の陰謀』で硬派のジャーナリストを演じた過去があるので、弟子であるファイファーにジャーナリズムを叩きこんでくれるのかと思っていたのだが、期待外れだった。
もっぱら教えるのは、ファッションとかカメラ映りとか、キャッチーなアナウンス法だとかの”外面”(そとづら)ばっかりで、報道の厳しさみたいなモノは伝わってこない。
フィラデルフィアのメイン局に移ったファイファーが窮地に陥った時に、レッドフォードが助けに来るんだけど、最初に行なうのは”報道フロアでのメイクラヴ”なんだからシラけてしまう。甘~い、甘すぎる。
さすがに製作陣もユルユルな展開過ぎると思ったのか、クライマックスになると刑務所の暴動にファイファーが、中南米の動乱にレッドフォードが巻きこまれたりして、ハードな方向に軌道修正しようとしてるけど、いかにも唐突で、違和感がある。ゆるみきったパンツのゴムは元に戻らず、やっぱり穿けない…みたいな感じ(笑)。
結局何がやりたかったんだろう?、とモヤモヤしたまま終わりそうだったんだけど、ファイファーがレッドフォードへの感謝の思いをスピーチする場面でようやく、「ああ、キャスター版の『スター誕生』を目指してたのか」と気がついた。でもまあ、時すでに遅し…採点を挽回するまでには至らなかった。