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暗殺の森のzhenli13のレビュー・感想・評価

暗殺の森(1970年製作の映画)
4.0
画としてすごいと思う映画が好きで物語の起承転結は割とどうでもよかった二十数年前(今もか。単に読解力が無い)、私の中で『暗殺の森』は『地獄に堕ちた勇者ども』『愛の嵐』とセットで衝撃を受けた作品として記憶されている。『愛の嵐』の設定や展開はあくまで耽美優先で漫画ちっくだけど、陰鬱で異常なダーク・ボガードと、丸刈り頭の半裸にサスペンダーとナチスの制帽、または男物セーター一枚で割れた瓶のジャムを貪るシャーロット・ランプリングは今でも素晴らしいと思う。

『暗殺の森』は何をおいてもやはり撮影に尽きるのだろう。それとドミニク・サンダ。ヴィットリオ・ストラーロもベルナルド・ベルトルッチも当時まだ二十代だったのが驚きなんだけど、あらためて今観ると若いなーという感じ、若さゆえの観念的な処理で押し通しているなーという感じは受けた。それでも見応えはあるのだけど。
ドミニク・サンダは何度言われても19歳にはとても見えなくて、毛皮にベールのついた帽子も素晴らしく似合ってるがパステルカラーの柔らかく薄いセーターとパンツの姿がとても好い。砂色のドレスに金髪のサンダが黒髪に黒白ドレスのステファニア・サンドレッリとタンゴを踊るシーンはそれだけで素晴らしくて陶然としてしまう。あと序盤でサンドレッリが猫ダンス踊るのも大変よろしい。
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