タスマニア

パルプ・フィクションのタスマニアのレビュー・感想・評価

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)
3.5
2022年35本目。

面白い。というより、好き。

数年前に一度見た時は全然良さが分からず、「映画好き」界隈から置いてけぼり食らった気がしてちょっと寂しかった覚えが笑
やっぱり、数年を経て色々な映画を見て、タランティーノの空気に染まってしまったのかも。

本筋と直接関係のないような世間話を割と長い尺をとってダラダラ話す感じ。あの空気感や時間が今や心地いい。
更に言うと、この映画に関してはタランティーノの若さと勢いもあったのか、世間話の構成や言い回しもキレッキレじゃないか笑

まぁ、それは同時にキャストがキレッキレという意味でもある。
特にサミュエル・L・ジャクソンやばい。ハンバーガーの件と、シェイクを飲み干すところとか。痺れるわ。
エゼキエル25章17節を殺しの前口上として利用しながらも、その内容の彼自身にとっての再解釈が最後の展開に影響するのも格好いい。

トラボルタとユマサーマンのツイストのシーンは結構笑ってしまった。
申し訳ないけど、ツイストのフリがもはやおもろい。
ユマサーマンが白目剥きながらオーバードーズするところも割とコメディで、注射をブッ刺して復活するところも含めて、好き。

意図せず、引退を発表したウィルスミスの映画に出会ってしまった。
数ある武器の中でウィルスミスに日本刀を掴ませる脚本にした日本フリークのタランティーノに感謝するしかない。

そして、「映画スターに紛れて、映画オタクが本編に出ちゃった」感の溢れるタランティーノ出演笑
これ褒めてる。こんな映画オタクの天才いないよ。
レザボア・ドックスのときにも感じたけどね。

それぞれの登場人物のエピソードが薄ーくつながっているといった脚本や演出の妙も映画の魅力だと思うけど、個人的にはやっぱり小気味のいい会話や爽快な破壊が心地よかったなー。

この映画好きな人の気持ちがすごく分かった。
再発見と再解釈っていいなぁ。
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