めしいらず

チェイサーのめしいらずのネタバレレビュー・内容・結末

チェイサー(2008年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

12人もの殺害を仄めかすサイコパス男の極めて残虐な動機なき殺人。捕縛したのに弱腰な対応で自供させられず、面子を気にし、後手に回って慌てるばかりの警察の無能っぷり。世論におもねる司法。彼らに立ちはだかる加害者の人権。元警察官で現デリヘル周旋業の主人公が、その仕事によって終生背負わなければならなくなった十字架。観客に期待を持たせてドン底にまで落とす悪意あるやり口。碌でもない人間たちと救いがなさ過ぎる展開に閉口してしまうこと必定だ。徹頭徹尾、胸糞悪い思いをさせられる。しかし物語の吸引力は凄まじい。冒頭の舌なめずりする犬からしてすでに不穏でおぞましい。ツッコミどころもあるけれど、それを息つく暇のない展開で巧みに補っている。
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