群青

インファナル・アフェアの群青のレビュー・感想・評価

インファナル・アフェア(2002年製作の映画)
4.0
無間とは絶え間ないこと。仏教用語で、罪を犯したものは永遠に苦しみ続ける地獄に落ちる、ということだ。

そのメッセージが最初に出る通りこの作品に出るやつらはみな絶え間なく苦しみ続けるループにはまってしまった。運命は変えることが出来ない、というメッセージだ。


とにかく最初に観た時はそんなテーマ気にせず設定に唸った。警察に紛れ込んだマフィア。マフィアに紛れ込んだ警察。互いが互いを知らずに戦い合う、という設定。
ちょっとばかし人間関係を把握するのに時間がかかるが、だんだんわかり出すと面白いことこの上ない。緩むことのない緊張感を味わえる。

時計、映画館、用心棒、全てが伏線となり後であ〜!と唸る。とにかくストーリーが素晴らしい!

そして全体に漂う雰囲気。香港の空気感がすごく伝わってくる。まああんまり東京と変わらないけど何か違うんだよなあ。


キャラクターたちも魅力的だ。とにかく2人の主人公のトニー・レオンとアンディ・ラウがめちゃくちゃかっこいい。特にトニー・レオンはだらしなく、ヒゲも生やして、目も死にかけ。でもそれがかっこいい。だらけたのがかっこいい。吹替は山路和弘だから声もかっこいい。最高!カウンセラーとの距離感も絶妙で良いね!
アンディ・ラウのエリートの皮を被った悪の目がひしひしと伝わってくる。同時に善人と悪人の中で揺さぶられているような不完全さも出していてGOOD。まあそれはトニー・レオンの方も同じだがこっちはあくまで元はワル。それが正義側に揺れるというのがいい。
マフィア側と警察側のトップも良い。特にマフィアのサムが食ってるご飯がめちゃくちゃ美味しそう笑
ここかよ!と思うが本当にそう笑
多分ちゃんとしたご飯じゃなくて屋台のご飯みたいだけれどすごくうまそうに食べる笑
マフィアとしての仁義を持ちながら冷徹さも持っている。
他のキャラもそうだけど、これ言っていたらキリがないなぁ
つまりはみんながみんな善のようで悪、悪のようで善という二つの側面を同時に持っているのが良い。みんなとても人間臭いということだ。

終わりにかけても素晴らしい。一度捕まった運命には逆らえない。因果応報。生き残ったものに残る罪の意識。なんだかなぁ、と思いながらも観終わった後、爽快感もある魅力的な作品だ。
群青

群青