茶一郎

仮面/ペルソナの茶一郎のレビュー・感想・評価

仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)
4.4
 最高に格好の良いオープニングから始まるベルイマン流映画についての映画。
自身の創作スランプを失言症の女優に象徴。劇中で一言しか喋っていない故の女優としてのなまめかしさたるや。
今作以後の作品に大いに影響を与えていることが明らかで、いかにベルイマンの映画作りが前衛的だったのかを伺える内容。

冒頭のカウントダウン、燃えるフィルム、画面に映るおちんちん (「ファイト・クラブ」のアレ) 、そして極め付けは編集なしの切り返しショットとカメラマン・監督の登場。
やりたい放題。
ここまで作家としてパーソナルでありながら、そのメタフィクション的な要素を折衷しても82分間、十分に素晴らしさが伝わる作品になるのだから驚くべきこと。
茶一郎

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