アルコール中毒を真剣に描いているんだろうけど、主人公ドンの依存性の様子がとてもコミカルに映る。
ドンの弱さがアルコールにするするとつけ込まれて、あっと言う間に堕ちるところまで堕ちていってしまう。そうなったら「気持ちが弱い」などと言う次元ではない。傍観者からはコミカルに見えるほど、依存性は患者を嘲笑う。
「最後の一杯」を手に入れるために、ドンはちょくちょく犯罪を犯してるんだけど、この時代はめちゃくちゃ寛容なんだな笑
でも、一番寛容で辛抱強いのは恋人のヘレンだ。「ワザとやってるでしょ?」と思わずツッコミたくなるドンの逆に咥えたタバコを何も言わず戻してくれるのはヘレンだけだし、裏切られても裏切られても寄り添い続ける。ワタシにはとても真似できない。男女の愛というよりは、人間を慈しむ愛の人だ。
それにしても、あの幻覚であそこまで怯えるドンが、不謹慎にもちょっと笑えた。