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透明人間のkazu1961のレビュー・感想・評価

透明人間(1954年製作の映画)
4.0
▪️Title : 「透明人間(1954)」
Original Title :※※※
▪️First Release Year:1954
▪️JP Release Date :1954/12/29
▪️Production Country:日本
🏆Main Awards :※※※
▪️Appreciation Record :2020-348 再鑑賞
🕰Running Time:70分
▪️My Review
『ゴジラ』とはまた違った円谷英二ワールドのオリジンが堪能できる作品です。
本作は、戦時中の人体実験によって自分の存在を物理的に消された男が、普通の人間として生活しながら、彼を名乗って暗躍するギャング集団に立ち向かう姿を描いた作品で、『ゴジラ』に続く特撮技術を駆使した映画として企画・製作されたました。『ゴジラ』が縫いぐるみとミニチュアによる特撮を主としていたのに対し、本作では光学合成が多用されています。
いや!面白い、と思うシーンは、ピエロが顔の白塗りを消して透明になるシーン、誰もいない電話ボックスの受話器があがり、ひとりでにダイヤルがまわるシーン、バイクがひとりでに走るシーン、あと足跡だけがついたりするシーンなどがあります。これ1954年に円谷の作った映像は、ほぼ同時としては完璧に見えたのではないでしょうか。どうやって撮ったかという事がとても不思議です。もう『透明人間』、それ自体がスリラーというところですね。
そして、ストーリーもしかっりしていてかなりファンタスティックな作品です。戦後の世情の中で、本当の透明人間が悩む話なんですね。みんなに見えるように白塗りをしてピエロの格好をしているというのはとても素晴らしいアイデアで、彼の知り合いの三條や眼の見えない女の子(近藤圭子)が偽の透明人間に翻弄されるのを本当の透明人間が助ける話です。最後に女の子にあげるはずのオルゴールが死体の近くに落ちているような、ファンタスティックなストーリーに透明人間のサスペンスを混ぜた映画なんですね。
さらに本作、後に制作される変身人間シリーズの先駆的作品との扱いを受けているんですね。

▪️Overview
「ゴジラ(1954)」に次ぐ東宝の怪奇スリラーで別府啓の原案を日高繁明が脚本を書き、小田基義が監督に当る。撮影・特技監督は「ゴジラ(1954)」の円谷英二である。出演者は河津清三郎、三条美紀、藤原釜足、高田稔、植村謙二郎のほか村上冬樹、土屋嘉男、恩田清二郎、童謡歌手の近藤圭子など。(参考:映画.com)
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