ろ

レベッカのろのレビュー・感想・評価

レベッカ(1940年製作の映画)
4.4
「レベッカはどんな方?」
「あれほどの・・・あんなに美しい方は見たことがありません」

ヒッチコックの名作で、母が大好きな作品。
やっと鑑賞できました。
ヒッチコックならではの斬新な構図と見事な音楽が冴え渡ります。

そして何といっても見どころはジョーンフォンテインの演技。
少女のようなあどけない表情を見せたかと思うと、「ガス燈」のバーグマンのように怯えきった恐怖の顔。そして、旦那を守ってみせると決意した時のたくましさ。まるでサナギから蝶になるように、大人の女性へと変身しました。


ある夫人の付き人としてモンテカルロにやって来た主人公の女性(ジョーンフォンテイン)。そこでイギリスの大金持ちマキシムと出会い、恋に落ちる。そして二人は結婚。
主人公はマキシムの大邸宅へ。しかしそこには亡くなった前妻レベッカの影が。主人公はレベッカの見えない影に追い詰められていく・・・

レベッカの使用人で、邸宅を仕切るダンバース夫人。
レベッカ教の信者(!?)というぐらいレベッカを愛し、崇拝する。
彼女は主人公を受け入れず、見下し、じわじわと追い詰める。
あの能面のような冷たい顔が迫って来る怖さ。
日本の妖怪のような、おどろおどろしさがあります。

そんなある日、主人公はレベッカのように、自分も社交的に振る舞いたいと思うようになる。仮装舞踏会を企画し、自らの衣装をデザインします。ダンバース夫人の提案で家に飾ってある肖像画の衣装を着ることにするが・・・。
主人公は夫マキシムの怒りを買い、悲嘆に暮れる。
窓辺に立つとダンバース夫人が「下に飛び降りたら簡単よ。そのまま楽になっておしまいなさい」と自殺をそそのかす。この場面の怖さといったら。

まくらカバーに刺繍されたレベッカのイニシャル、Rの文字が炎に包まれていくラストは圧巻!

「誰も過去には生きたくありません。あなたなら我々を未来へ導いてくれる」
ろ