滝和也

ターミネーター3の滝和也のレビュー・感想・評価

ターミネーター3(2003年製作の映画)
3.3
女性型ターミネーター
出現!審判の日を
回避したはずの
ジョン・コナーの前に
再びターミネーターが
現れる!

生みの親であるキャメロンの
手を離れ、生み出された
三作目の運命や如何に!

「ターミネーター3」

鬼子となりました…。まるで生みの親から子供ではないと切られた様な。最新作でなかった事にされてしまったのはまるでZZガンダム並み。

ストーリーも、ターミネーター2の感動を返せとばかりに、あれは審判の日を引き伸ばしただけと言い切り、スタートします。確かに人類の進歩を考えれば、同じものに行き着き、そうなってしまうはずだろうけども…。

ターミネーターが2体再び現れ、一体はシュワルツェネッガーで大人のジョンを助けると言うプロットは全く同じ。そこにジョンのカミさんになる女性も守るミッションが追加。そしていきなり、その日が来た審判の日が絡み、人類はどうなると言う展開。

新たなもの、追加されたモノ、
全てが滑ると言う結果に…(T_T)。

まず…大人になったジョン。
遥かにターミネーターとの関係が巧みに描かれたT2に歯が立つわけもない…。父、友として描かれた前作に比べ、全く描けていない。それは母であるサラが不在であり、家族も描けていないからですね…。また彼の成長譚としても弱い。唐突なラストが始まりですし。小さかったときの方が覚悟を決めている不条理さもあって…残念。確かに父カイル役マイケル…ビーンに似た役者だけど魅力は薄いし、残らない。

イキナリ出てきた未来のカミさん役、ケイトは序盤うるさいだけでアクションの足を引っ張るし、ヒロインとしての見せ場も無く、しかも美形さでターミネーターに劣り、印象が薄い。

女性型ターミネーターは美形で確かに強いし、ビジュアルは○だが…。CGの進歩があったにも関わらず演出がイマイチで前作のT1000に印象で敵わない。またシュワルツェネッガーと相対した段階で、不具合が起きる。シュワルツェネッガーが強く見える瞬間は女性を殴っている状況になり、彼女が強いシーンではシュワルツェネッガーが女性にヤラれているになり、難しい状況に。故に強力な飛び道具を与えたのだが、これも逆効果。これだけでいいじゃんとなるし…。ラストはオマージュだから良しとしても、その手前があっさりかなぁ…。

そして賛否両論のあのラスト。やっぱり前作で終わったモノを無理に再起動したら、それしかないし、もしそうでなかったら次作もまた同じプロットになっちゃうから、流石にそれしかないよね…。でもそれは前作を全否定だし、サラがいない中でやるべきでなくて…。

またターミネーターらしさを出すために、オマージュ増し増し。おなじみの台詞やシーン、アクションも…。ただ…笑いを入れようとして滑ってるし…。監督がターミネーターに有り余る愛着と熱意があるのはわかるんだけど…。

そう…序盤の30分に詰め込まれたアクションは素晴らしいんですよ。クレーン車が街を破壊しながら追ってくるカーアクションは凄まじかったし。但し序盤にアクションの山が来ちゃってますからね。でもラストがアッサリだから…。予算足りなくなってますよね。

最初出ないとしていたけど、人気回復のために、出演したシュワルツェネッガーは元気だし、前作にも劣らない身体の仕上がりでしたから、シュワちゃん好きなら楽しめます(^^) 滑り気味でも一生懸命やる彼、ターミネーターの健気さが救いでしょう。

続編をやるなら、これしかない道に、敢えて茨の道に進んだ事でターミネーターシリーズは続いたのも事実。アクションの派手さを見て楽しむべき作品です。オススメは余りしませんが…。
滝和也

滝和也